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【博多屋×秘密①】訪れた人だけが見ることのできる博多屋。そして、宮島の景色
博多屋INFO宮島観光
2024.08.29 up

江戸時代の宮島、そこには十数軒の「博多屋」が軒を連ねました。その中の一つが「博多屋」の前身です。明治初期に宮島で、はじめて産業として定着した杓子の問屋を営み、その後、もみじ饅頭の製造を開始し、最大の神事、管絃祭には江波漕伝馬の休み宿を代々務めてきました。
「博多屋」の企業コンセプトは「宮島の、かたち。」。時々刻々、四季折々、歴史と風景が溶け合い一つの庭のように感じられる宮島の魅力。一見無関係に見えるけど、深いところで繋がる風物の数々。普段見慣れている宮島。近過ぎて気づかない初めて訪れた時の感動と、長い間生活して初めて実感するそこに脈々と流れる「何か」を手掛かりに、気づきや問いを深掘りし、発信し、商品に生かしたいと考えております。宮島に来られた際はぜひお立ち寄りください。 博多屋HP → こちら
私たち博多屋は明治時代初期、杓子問屋として創業しました。
それから140年以上、時代の流れに沿って杓子問屋からもみじ饅頭を焼く店に転換したあとも、日常の営みを通して宮島の日進月歩を見続けています。
2019年に大幅リニューアルした際、宮島とともに歩んできた当店の歴史や文化を、新しい店内にちりばめました。
観光雑誌には載らない、博多屋を訪れた人だけが知ることのできる宮島がここにあります。
大きさ約3m!100年以上にわたり博多屋を見守る兄弟杓子

当店がもみじ饅頭を焼き始めたのは先代のときで、創業からの年月でみると近年のこと。それまでは宮島のブランド品として発展した「杓子」をメインで販売していました。
当時、お店の看板だった2つの大杓子は創業当初に作られたもの。一本の栓の木(センノキ)から木取りされた兄弟杓子で、それぞれ約3mの大きさがあります。
寄木ではない一本ものの杓子としては最大級で、現代では新たに作ることが困難とされています。
2019年の店舗リニューアル後、兄弟杓子は看板の役目を終えましたが、私たちは宮島が培ってきた文化を示す貴重なものと捉え、来店したお客様に見ていただけるよう店内のお土産品売り場に展示しています。

兄弟杓子には、「元祖 博多屋」という文字が墨で書かれています。
先代によると、創業からこれまで、杓子の看板は縦になったり横になったりを繰り返しており、そのたび杓子本体を削って文字を消し、縦書きや横書きに書き直していたそう。
今でも大きく立派ですが、何度も削ったことで薄くなったという大杓子。当初はもっと厚みのある、より頑丈な杓子だったことに驚きます。
店舗を新しくしたあとも、私たち博多屋は古き良き文化と今後も一緒に歩みながら宮島の新たな可能性を発見し、訪れる人々に伝えていきたいと考えています。
平清盛の妻・二位の尼(ニイノアマ)の燈篭と彫刻

博多屋店舗の海岸側の出入り口からほど近いところに、一つの燈籠が佇んでいます。
「二位殿燈篭(ニイドノトウロウ)」と言い、周囲にも複数の燈篭があるため見落とされやすいですが、宮島の歴史に関わる大切な燈篭です。
「二位殿」は、平清盛の妻で、清盛と一緒に出家し「二位の尼」と呼ばれるようになった平時子(トキコ)を示します。
清盛が亡き後の源平の戦・壇ノ浦の合戦で、二位の尼は清盛の孫の安徳天皇を抱いて海へ入水。その亡骸が流れ着いたのが、燈篭が立っている海岸という説が残っています。
宮島の島民は二位の尼を供養するため神泉寺(場所は光明院の西側で現在は廃寺で神泉寺跡だけ残る)に阿弥陀堂を建て、二位の尼の木像を祀ったとされています。
神泉寺は時を知らせる寺として、別名「時寺」と呼ばれました。また、宮島杓子を考案した誓真が番僧をつとめたとしても有名です。
今日の宮島のかたちを作った平清盛、その妻の二位の尼を物語る「二位殿燈篭」は、当店のイートインスペースから見ることもできます。

私たちは、二位殿燈籠に対面する海岸通り側のイートインスペースを「アマノステラス」と名付けています。
アマノステラスは平家の伝説が残る海岸「尼ノ洲(アマノス)」とその眼前に佇む史跡「二位殿燈籠」、嚴島神社参道の石鳥居、海に浮かぶ大鳥居が連なって見える場所。
そこに、広島出身の彫刻家、平山紗代氏が制作した、安徳帝を抱く平時子の彫像を配し、二位殿燈籠を背景としたテーマ空間「ナゴリのトキ」を設けました。
「ナゴリのトキ」は、ヒストリー(歴史)とリアルタイムな“時“をつなぐ掛詞。歴史とひと続きの庭にいるような一時を,当店でお過ごしください。
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彫刻家・平山紗代氏の思いを簡単に紹介します。
Comment from the creator: Sculptor Sayo Hirayama
私は、宮島を望む対岸の宮島口で生まれ育ちました。
同じ景色を、平清盛や二位の尼、安徳天皇も見ていたのだと思うと、とても感慨深いものがあります。
平家物語では有名なこの場面も、彫刻にするとどこか柔らかい表情を見せてくれました。
穏やかな瀬戸内海に浮かぶ宮島、その景色に自然と手を合わせます。
宮島を想う、それと同じような気持ちでひと彫りひと彫り、祈るように彫らせていただきました。
人のような、神のような、龍のように。
この彫刻がここ宮島で、長い時を重ねていってくれることを心から嬉しく想います。
I was born and raised in Miyajima-guchi, overlooking Miyajima across the bay.
When I think about how Kiyomori of Taira and his wife Nii no Ama (“Nun of the Second Rank) also enjoyed this view, I feel deeply moved.
When engraved, this famous scene from the Heike Story shows a somewhat soft expression.
I naturally put my hands together at the sight of Miyajima floating on the calm Seto Inland Sea.
With that love for Miyajima, I made every carve in prayer.
Like a person, like a god, like a dragon.
My heart rejoices knowing that this sculpture will spend a very long time here in Miyajima
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宮島が誇る工芸・宮島杓子を日本中に伝える杓子問屋から始まり、約140年にわたり宮島の歴史、文化とともに歩んできた当店。
次回は、宮島で生まれ育ち宮島の研究を趣味とする現当主が、リニューアル時に点在させたこだわりをご紹介します。
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