宮島 厳島 明治創業 博多屋 HAKATAYA MIYAJIMA JAPAN

新着情報WHAT'S NEW

【博多屋×秘密②】隠れ鳥居にミニ鳥居!?宮島の歴史にも触れられる当店の“秘密“

INFO

2024.09.15 up

明治初期の創業から約140年,宮島の文化と一緒に歩んできた当店は、2019年に店舗を大幅リニューアルしました。

 

焼きたて・揚げたての販売、多彩なお土産品の陳列など、お客様に宮島を五感で感じていただける空間を造りました。

 

設計したのは、一級建築士である博多屋の現当主。

 

訪れた人だけが目にすることのできるこだわりと、「クスッ」となるちょっとした遊び心。

 

生まれも育ちも宮島という当主がちりばめた、当店の“秘密“をご紹介します。

 

 

外壁に!?知る人ぞ知る“隠れ鳥居“

 

 

宮島の海岸沿いに面した当店の外観2階部分は、鉄の棒を縦縞模様に配置したデザイン。

 

その棒は店舗向かって一番左側だけ、デザインが違っていることに気づく人はいらっしゃるでしょうか?

 

 

一番左側は、実は鳥居の形をしています。

 

目にすると思わず笑みがこぼれる“隠れ鳥居“。

 

宮島の海岸通りは、大鳥居と石鳥居がつながっているように見える景観が特徴的です。

 

ここに博多屋の「鉄の鳥居」を添え、宮島参道の景観そのものをお店の一部として取り込みたいという思いからデザインしたものです。

 

嚴島神社の神様が鎮座する宮島に対し、当店なりの畏敬の念を表し、これからも「宮島とともにある」という想いを込めています。

 

お客様には宮島観光の中で、「見つけた!」という小さな宝探しの気持ちで気軽に楽しんでいただけたら幸いです。

 

イートインスペース「アマノステラス」のシンボルマークは、3つの鳥居の連なりをデザインした

 

 

店内で揺らぐ精巧なミニ鳥居

 

 

当店イートインスペース「アマノステラス」には、頭上のレールから嚴島神社大鳥居を模ったミニ鳥居がいくつかの場所に垂れています。

 

これらの鳥居はすべて手作り。建築模型を得意とする当主が、実物の大鳥居の原寸を1/500サイズ、1/200サイズに縮小し、袖柱や袖貫の位置、主柱の太さなど、極めて精巧に細工しました。

 

 

店内でゆらゆらとたゆたうミニ鳥居。

 

当店へお越しの際は、思い出の一つとしてぜひカメラに収めてくださいね。

 

 

過去と現在をつなぐアマノステラスのギャラリー

 

 

宮島観光の合間に軽食と休憩をとっていただけるイートインスペースの「アマノステラス」は、ギャラリーを兼ねています。

 

宮島で生まれ育ち、宮島が大好きな当主が「面白い」と思うテーマで、自ら集めた写真や情報をまとめ、不定期に企画展示しています。

 

当主の趣味の範疇ですが、お客様に宮島の歴史を垣間見ていただく空間です。

 

2024年9月現在の企画展のテーマは、「Corlorless 宮島に色がなかった時・・・」。

 

当主が展示のあいさつパネルに書いた想いを紹介します。

 

「宮島への来島者にとってもっとも印象部会景色

 

大野の瀬戸を渡ると、見えてくる前景と背景、鳥居と山影。

青と丹の補色調和の世界。

3年前半に渡る改修を終えた大鳥居。

改修期間、鳥居は足場に梱包され、「宮島から色が消える」という非日常の経験でもありました。

そして、引き潮に足場に接近すると見えたのは、「色が剝がした素木(しらき)の鳥居」。

 

明治8年個の鳥居は建設されました。「色のない素木の鳥居」として

鳥居や社殿に「色がなかった時」がかつて宮島にはありました。

 

それは、神社を存続するために出現した、余儀なくされたもう一つの宮島の景色でした。

 

明治初年、神祇官事務達(神仏分離)。仏教を象徴する色と考えられていた丹色は砂ずりで剝がされました。

 

それから約30年間の明治期に社殿の姿は今も素木の能舞台、天神社、千畳閣などと連続し、まちなみとも同化する。

 

それは我々にとっては既視と未知が同居する新しい姿でもあります。

 

明治33年の災害修理をきっかけに始まり長期に渡る明治大正の大改修に際し

漆芸家の六角紫水の動きで社殿が塗られることになりました。

 

明治35年ごろから先ずは社殿、明治の終わりに鳥居。順次色が塗られ「色がなかった時」は終わりました。

 

鳥居の建設時から約30年間の色のない時代。当時の写真は意外に多く残っています。

 

モノクロ写真の時代の色のない鳥居の写真と現在の写真の比較。

 

違いはわかりますが、モノクロをカラーに置き換えながら観ることは判然としない印象がありました。

 

草創期の写真師は最新のモノクロ写真技術と浮世絵の技術をたくみに融合し、鶏卵紙写真に淡いカラーをのせることで

「色のないリアルな宮島」を表現しました。その中からいくつかをご紹介したいと思います。

 

そこにはただ「色がない」というだけにとまらない現在との多くの違いがありました。

 

そして我々の知らない意外な魅力。当時来島した外国人は具(つぶさ)にそれを記録しています。

 

先入観のない外国人の様な目線でもう一つの「宮島の、かたち。」を感じていただければ幸いです。」

 

 

 

写真に写っているのは、「色のない時期」を過ごしたかつての嚴島神社の社殿や大鳥居。

 

 

その時期の嚴島神社を撮影した鶏卵紙手彩色写真(※)を、当主が取り寄せました。

 

「丹色の嚴島神社」という先入観のない目線でご覧いただくと、過去の地に自分が立っているようなタイムスリップした気持ちで宮島観光をお楽しみいただけるかもしれません。

 

(※)鶏卵紙手彩色写真・・・鶏卵紙は、卵白で紙の表面に形成した塗布膜(バインダー)に硝酸銀を反応させて感光層にする、柔らかな光沢感が美しい印画紙。鶏卵紙手彩色写真は鶏卵紙に手彩色を施した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

宮島にはさまざまな観光名所があります。

 

それらを巡っていただく中で、ぜひ当店にも足をお運びください。

 

もみじ饅頭やがんすといった宮島グルメはもちろんですが、当店だけで見ることのできる宮島の景色、歴史、文化にも触れてみてくださいね。