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【博多屋×宮島の秋】おすすめ!宮島の紅葉の楽しみ方(もみじ名所の由来も紹介)
COLUMN
2024.12.03 up
11月中旬から紅葉に染まり始める宮島は、広島県内でも名所の一つとして知られています。
緑、黄、赤に色づいた葉が重なる自然美は、古くからたくさんの人々に心の安らぎを与えてきました。
今回は、博多屋ならではの歴史的視点とともに愛され慈しまれる島内の紅葉スポットや、知る人ぞ知る絶景スポットをご紹介します。
また、博多屋のもみじ饅頭に、秋のお土産にふさわしい新パッケージデザインが登場!
デザインに込めた店主の想いをお伝えします。
宮島の紅葉シーズン到来を告げる1本の木
深い緑色と、鳥居や社殿、五重塔の朱(丹)色。秋が深まるにつれ、補色が調和する宮島の景色。
その中で燃え上がるように発色する一点があります。
それが水族館の脇にある楓の大木。
それから宮島の山林に赤黄の点描が始まり、補足の調和が徐々に緩み、サラウンドな赤みがかった世界へと変化します。
紅葉が大鳥居の赤みを超え、風景の主役となるひとときが始まります。
宮島の紅葉名所6選。穴場スポットも紹介
[① 紅葉谷公園]
紅葉の名所として名高いのが紅葉谷公園です。
弥山の麓、紅葉谷川に沿って広がる公園で、約700本の木が紅葉に色づくシーズンには多くの観光客が訪れます。
園内には旅館「みやじまの宿 岩惣」が佇みます。
江戸時代、この岩惣を立ち上げた人物が草木を植えたり、もみじ橋を掛けたりして整備した場所が紅葉谷公園となり、憩いの場となるよう茶店を開業したことが現在の岩惣につながっています。
下は明治期、清流に浮かぶように佇む岩惣の座敷の写真。
川面に映るもみじを見ながら食す、もみじ饅頭が生まれた原風景です。
岩惣にはこれまで、各国皇族や政治家、文化人などが宿泊したそう。
歴史に名を残した人たちも、現在の私たちと同様に園内を歩き、川のせせらぎと紅葉のグラデーションに心を癒されたはずです。
紅葉谷公園では、かつての人々と同じ景色を見ていると想像しながら散策する、楽しいひとときをお過ごしください。
[② 大聖院]
大聖院も宮島の紅葉スポットの一つで、さまざまなお地蔵様や仏様を参拝しながら、広い境内の紅葉を楽しめる場所です。
シーズン中は夕方からライトアップも実施されます。
境内巡りもおすすめですが、あまり知られていない絶景スポットがあります。
そこは魔尼殿の2階、1000体の阿弥陀仏が安置されている魔尼殿菩提所。
窓からの見晴らしが抜群で、秋晴れの日は真っ青な空が映えるとても気持ちの良いところです。
※2階への階段の傾斜が急なので、上り下りの際は十分にお気をつけください。
[③ 里見茶屋跡]
標高166mの場所にある里見茶屋跡。
数十年前まで茶屋が実在したところで、現在は東屋が建てられています。
東屋の先にある木々の間から、瀬戸内海に浮かぶ大鳥居が見える絶景スポットです。
弥山への登山客の休憩所となっていますが、大聖院コースの登山口から約15分なので観光中でも立ち寄ることができます。
秋色に染まる木々に囲まれた静かな場所で非日常感を味わってくださいね。
[④ 木比屋公園と大元公園]
宮島水族館の近くにある「国民宿舎 みやじま杜の宿」を挟むように、木比屋公園と大元公園があります。
どちらも宮島の紅葉スポットですが、紅葉谷公園に比べて人の気配が少ない静かなところです。
昔、宮島を訪れた著名人たちは、1日目に岩惣に泊まって紅葉谷公園で景色を鑑賞し、2日目にみやじま杜の宿へ移り、そこでも紅葉狩りを楽しんだと言われています。
宿のあたりは、明治時代、「白雲洞」という旅館がありました。
その後の1917年、広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)を設計したヤン・レツル氏が手掛け、「宮島ホテル」として開業します。
和洋折衷の外観デザインで、1944年に閉業するまで主に外国人観光客が利用。アインシュタインやヘレン・ケラーも泊まったそうです。
後世に名を残す人物たちも木比屋公園と大元公園で季節を感じ、穏やかな気持ちになったことでしょう。
過去に思いを馳せながら紅葉を慈しむのも、宮島ならではの風景です。
[⑤ 千畳閣]
紅葉の名所として知られ、嚴島神社の東側に位置する千畳閣(豊国神社)。
建設途中で豊臣秀吉が亡くなったため未完成と言われ、閉じるものがない開放的な空間です。
千畳閣から嚴島神社の方角に大きな銀杏の木があり、秋には見事な黄色に色づきます。
それだけでも見応えがあるのですが、博多屋がお伝えしたい鑑賞方法はもう一つ。
いつもきれいに磨かれて水面のようにピカピカな千畳閣の床に、黄色の銀杏や景色が映り込むのです。
計算されたような美しさは、紅葉の時期だけのシャッターチャンス。
外の景色と一緒にそれらが反映された床の写真を、旅の思い出に残る1枚にしてくださいね。
[⑥ 神泉寺跡地]
神泉寺(シンセンジ)はその昔、二位の尼(=平時子=平清盛の妻)を祀る寺でした。
宮島の光明院の裏にあり、現在は石碑だけが残ります。
2024年の紅葉は、この神泉寺跡地から塔の岡方面を見たときの景色が一番素敵だなと感じました。
“もみじ”の語源「もみいづる」
“もみじ”の言葉の語源を知っていますか?
諸説あるそうですが、“もみじ”は「もみいづる」という染色にまつわる言葉が省略されて生まれたと言われています。
「もみいづる」=「もみいづ(揉み出づ)」。
植物を揉んで抽出した色素で布を染めることが、緑の葉に赤や黄の色がにじみ出てきて紅葉に染まる様子と重なったと考えられています。
「揉み出づ」という動詞が、現在の「もみじ」という名詞に変化したそう。
緑から鮮やかな赤に色を変えるもみじの葉にピッタリの語源ですね。
もみじ饅頭詰め合わせの新パッケージ「もみいづる あき」が登場
この秋、博多屋のもみじ饅頭詰め合わせのパッケージをリニューアルしました。
大鳥居が海上に佇む宮島らしい風景にもみじの葉の影を重ねた、情緒溢れるデザイン。
まるで本物の影が箱に揺らいでいるようです。
さりげなく載っている「もみいづる あき」の文言にもインパクトを感じます。
もみじは秋の赤色が見頃ではありますが、春から夏には若々しい緑色になるなど、一年のほとんどが鮮やかに色づく植物。
新パッケージを手に取った人が紅葉の影からさまざまな色を想像することで、宮島の風景や旅の思い出が鮮やかな記憶となって残りますように。
包装紙を外して箱を開ければ、美味しいもみじ饅頭が並んでいます。
紅葉の色が変わるように味の変化を楽しめる詰め合わせ。目でも口でも思い出を堪能してくださいね。
紅葉谷公園、大聖院、大元公園の共通点
これまで紹介した名所の紅葉谷公園、大聖院、大元公園。
この3カ所に共通する特徴として、風の通り道になる川筋の冷風に誘われてもみじが色づくことがあげられます。
もみじが美しく紅葉するには、昼間と夜の気温差が大きい、直射日光がよく当たる、適度な湿度がある、 風通しがよいことが条件だそうです。
最低気温が8度以下になると紅葉が始まり、さらに5~6度まで下がると、色づきが加速すると言われています。
2024年秋は11月末ごろにやっと気温が下がり、30日当たりの週末、木々が一気に紅葉し見ごろを迎えました。
樹木の根元を踏んではダメ
宮島では自然環境を守るとともに桜ともみじの再生に取り組まれてきた「NPO法人さくらもみじの会」がありました。
宮島の大事な観光資源でもあるもみじと桜の木の土壌改良、り病枝・枯枝除去、害虫駆除などの作業を長年やってこられた団体です。
来島者が増えたことで、島内の木は根元を踏まれることが日常茶飯事となっています。
木は根から水や栄養をとっています。土が踏み固められると、根は締め付けられ、根から水や養分が吸収できなくなり、しだいに弱って病気になりやすくなるそうです。
観光中は美しい木々を遠くから楽しんでいただき、根元を踏まないように気を付けましょう。